マネをしても同じ結果にならない理由
できる人のまねをして同じことをやっているのに、なぜ自分の成績は上がらないのか?
今回はその謎について書いていきます。
真似をすることの問題点
仕事を覚えるときには、できる人のやり方を真似をするというやり方が一般的です。
このやり方は昔からあるやり方で、まずは基本を真似することが重要だとよく言われます。
お手本の真似をするということは、守破離で言えば「守」の部分に当たりますから、もちろん大事なことです。
ただできる人の真似をしたからといって、多くの場合できる人と同じ結果にはなりません。
その理由は真似のやり方に問題があるからです。
では、どんな問題があるのか教える側と教わる側に分けて考えてみましょう。
教える側の問題点
- 成績の良い人のやり方を絶対視しているため、それ以外を認めない風潮が出てきます
だから明らかにキャラが違う人にもそのやり方を無理やり押し付けようとします
そんなやり方を強要される方は、無理してキャラを変えているため嫌になってしまう。
- セールスの本質が分かっていないため、やり方だけを真似させている
教わる側の問題点
- セールスの本質が分かっていないため、成績の良い人の上辺だけをまねするだけになってしまう
- そもそもまねをする人を間違えている
このように教える側も教わる側もどちらにも問題があります。
この問題を解決すれば、営業におけるストレスは大分軽減されるのではないでしょうか。
同じ結果を出す方法
では解決策を探っていきましょう。
上に書いた問題点から考えると
解決の方向性は2つです。
1.誰のどこをまねするか(真似させるか)
2.営業の本質を学ぶ(上司も部下も)
誰のどこを真似するか(真似させるか)
まず前提として、真似をしようとしている人とあなたは別人です。
別の人間だから違う部分がたくさんあります。ざっと思い浮かぶだけでもこれだけのことが違います
☑顔
☑声
☑目の力
☑表情
☑自信
☑得意なことや不得意なこと
☑どんな言葉に怒りや不安を感じ、喜びや楽しさを感じるのか
☑自分の能力に対して肯定的なのか、否定的なのか
☑自分の未来は明るいと思っているのか、暗いと思っているのか
☑他人に肯定的なのか、否定的なのか
☑他人に興味があるのか、ないのか
☑他人の能力を信じるか信じないか
ちょっと考えただけでもこれだけ違うのだから、仮に同じ言葉を話したとしても結果が同じになるということはありえません。
当たり前のことなんです。
ここで理解してほしいことは、
通すフィルターが違えば同じものは出てこない法則 という法則です。
例えば、同じ映画を見ても、
あなたのフィルターを通した映画の感想と友人のフィルターを通した感想は別物になりますよね。
それは、営業のときも同じで、
同じ言葉を話しても、あなたのフィルターを通った言葉と、別の人のフィルターを通った言葉は、別の結果を生み出すのです
至極当たり前の話なのですが、ビジネスの現場では、この当たり前のことをわかっている人があまりいないのです。
ブラック企業が問題になっている原因の一つは、ここにあるのではないでしょうか。
だから誰かの真似をするときには、その人の言葉だけを真似するのではなく、
なぜその言葉を使うのか、
どんなメッセージを伝えたくてその話をするのか
その言葉の裏側にある思いを自分の言葉に変換して使わないといけないのです
営業の本質を学ぶ(上司も部下も両方)
教える側がよく以下のような発言をします。
「お前も俺と同じことをやれば、必ずできるようになる」
「結果が出ないのは、俺が教えた通りにしないからだ。素直さが足りないからダメなんだ。」
これはそもそも勘違いで、自分のやり方を押し付けることが正しいという思い込みです。
やり方とはただのノウハウですから、どれか1つしか正解がないということはありません
売れている人のやり方は千差万別ですが、どの人にも共通する部分があるのです
その共通部分が本質であり、その本質を知らなければ、結局身につかないのです
本質とはマインドです。
マインドは言葉の裏にあるものですから、抽象的で分かりにくいものですが、
その本質を見抜くことができなければ、セールスもビジネス自体もうまくいくことはありません。
教える側は、「なんでお前は売れないんだ!」と怒る前に、本質を見抜く目を養い、その本質を教えてあげましょう。
マインドを制するものがセールスを制す
です。
誰かのまねをするときは、上辺だけまねをするのではなく、
その言葉や行動の裏にあるマインドを探り、
まずはそのマインドから真似をしていきましょう。