どうすれば感情を動かせるのか
今回は感情を動かすということについて考えていきましょう。
感情を動かす必要があるか?
セールスするときは、相手の感情を動かさなければならないと言いますが、
誰に対してもそれが必要かというと、そんなことはありません。
どういうことかと言うと、見込み客には、段階があって、
どの段階にいるのかによって、感情を動かす必要性が変わるということです。
元々欲しがっている人には、感情を動かす必要はないということですね。
感情を動かす必要があるのは、
欲しいと思ってなかった人や、
これまで考えたこともなかったという人
の場合です。
OATHの法則
見込み客には段階がありますが、その段階を見分けるときに役立つのがOATHの法則です。
OATHは、4つの英単語の頭文字を集めた言葉です。
見込み客の関心の強さによって、4つの段階に分けることができます。
1段階 O→oblivious
Oはobliviousの頭文字で、無知という意味です。
この段階は、自分に問題があることに気づいていない段階です。
糖尿病の予備軍になっていることに気付かずに、「俺に何か問題がある?」と思っているタイプです。
この場合は、まずは問題がある事実に気づいてもらうことからスタートしなければなりません。
2段階A→apathetic
Aはapatheticの頭文字で、無関心という意味です。
この段階は、問題があることに気づいているが、別にそのままでいいでしょというタイプです。
問題に気づいていても、その問題を重要視していないということです。
「あなたは、糖尿病の予備軍ですよ」
と言われて知っているのに、
「予備軍ならまだ大丈夫」
と軽く考えているタイプです。
この場合は、問題の重大さに気づいてもらわなければなりません。
3段階T→thinking
Tはthinkingの頭文字で、考えているという意味です。
問題に気付いていて、さらに何とかした方がいいなと考えている段階です。
糖尿病の予備軍だと気付いて、何とかした方がいいと考えて、ネットで対策を調べたりする段階ですね。
4段階H→hurting
Hはhurtingの頭文字で、困っているという意味です。
糖尿病の予備軍の例で言えば
「やばい!どうしよう」と問題を深刻にとらえて、今の現状を何とかしなくちゃいけないと色々試している段階です。
当然ですが、4に近づくほど購入確率は上がります。
4の段階の人は、問題に気付いて、その問題を深刻に考えているからこそ、困って色々試している段階です。
お腹空いて死にそうな人に、食べ物を売るのと同じことですから、感情を動かす必要なんてありません。
ただ論理的で筋道の通った説明をするだけで、購入してくれます。
4に近づくほど感情よりも論理性が必要となり
逆に1に近づくほど論理だけでは購入に至らず、感情を動かす必要性が高まります
1と2の段階は、
問題に気付いてもいないか、
気付いていても軽く考えている
という段階ですから、
問題意識のレベルをOATHのTの段階、つまり3の段階までは引き上げなければ勝負になりません。
そのために必要なことが、論理的かつ感情を動かす伝え方なのです。
他人は変えられない
論理については別の記事に書きましたので、こちらを参照してください↓↓
感情を動かす伝え方を学ぶ前にまずは、以下のことを覚えておいてください。
人は自分の考えを他人に変えられたいとは思っていないということです。
要するに他人を変えるなんてことはできませんから、相手の考えを変えようなんて、思ってはいけません。
このことを理解していないと、ただ真正面から説得を試みて、玉砕を繰り返すということになってしまいます。
あなたが相手の考えを変えるという意識ではなく、相手が自分で気付くように話を展開していきましょう。
相手の求めるものを知る
感情を動かす伝え方は、
相手をよく知り、信頼度を高める
という流れが王道です。
相手を知らないのに、一生懸命説得しても鬱陶しいだけですからね。
だから問題意識のカケラもない難しい相手ほど、相手のことを理解する必要があるのです。
だから、その分時間もかかります。
相手の求めるものが何なのかを知った上で、あなたの商品やサービスがマッチするのかを考えましょう。
あなたの価値観とあまりに違う場合は、販売しないという選択もあります。
価値観がかけ離れている人に販売するということはリスクですから、販売しないという選択肢を持つことはとても大事なことです。
信頼度を高める
相手を知りつつ、自分の信頼度を高めていけば、伝わり方の度合いが全く違います。
セールスでは、同じ言葉を話していても、誰が話すかによって、相手への伝わり方が全く違うということがよくあります。
これは、以下の①から③に向かって重要性が高まるということを意味しています。
①何を話すか
②どう話すか
③誰が話すか
一概には言えませんが、新人の頃は、①に意識がいきがちです。
購入してもらえなかった反省として、
「あのときこう言っていればよかった」
と言葉の内容を気にするわけです。
もちろん言葉の内容は大事なのですが、話の受け答えは、大体パターンが決まってますから、できて当たり前です。
うまく切り返せないというのは、切り返すトークを覚えてないだけですから、早く覚えるようにしましょう。
切り返すトークを覚えて、セールスのレベルが上がるほど、②と③の重要性が分かってきます。
②のどう話すかは、話し方の問題です。
声の大きさや抑揚、スピードなどももちろんですが、
話し方はあなたの信念がにじみ出る部分です。
どんな信念があるかで、説得力が変わり、伝わり方も違ってきますので、
売りたいだけのセールスにならないように、健全な信念で話すようにしましょう。
③の誰が話すかというのは、どれだけ信頼できる人が話すのかということです。
信頼している人からの言葉は、心に響くものです。
特に説得の難易度が高い1段階の無知と2段階の無関心の人ほど、
信頼度を高めたいものです。
信頼度を高める方法
では、信頼度を高める方法について書いていきます。
信頼度を高めるスキルはたくさんありますが、小手先の方法を覚えるのではなく、まずは根本となる以下の3つの考え方を覚えましょう。
1まずはこちらが相手を信頼する
2相手に好奇心を持つ
3利他的になる
まずはこちらが相手を信頼する
相手と信頼関係を築くためには、お互いに信頼し合うということが必要になりますが、信頼されるためには、先に相手を信頼する必要があります。
人を信頼しない人が、信頼されることはないということです。
もっと詳しくいいますと、人は信頼されると、幸せな気分をもたらすオキシトシンといわれるホルモンが分泌され、相手を信頼するようになると言われています。
だから人を信頼すればするほど、自分も信頼されるということです。
相手に好奇心を持つ
信頼関係を構築するコミュニケーションの2つ目のポイントは、相手に対して好奇心を持つということです。
コミュニケーションが苦手だと思う理由は、会話が盛り上がらないからという場合が多いと思います。
「何をしゃべっていいか分からない」となってしまうわけですね。
でも会話は盛り上げようと思って盛り上がるわけではありません。
盛り上げようと思うのではなく、相手に好奇心を持つことを心がけましょう。
嫌いな人には好奇心なんて持てませんが、相手が嫌いでなければ、好奇心を持って質問することで、相手の自己重要感を高めることができます。
人は自分を大事にしてくれる人に信頼感を持つということです。
利他的になる
利他的になるというのは、相手のためを思うということです
営業は「売りたいだけでしょ」と思われたら、そこでゲームオーバーです。
それでも自分の成績が頭をよぎってしまい、利己的になってしまうものです。
だからこそ、本当に相手のためを思って話すことができれば、それが相手に伝わり信頼へつながるのです。
かなり難しいかもしれませんが、毎日意識すれば、必ずできるようになります。
信頼度が高まるほど、あなたの言葉は相手の心を動かせるようになっていきます。
セールス活動の参考にしてください!